仕事でミスが続くと、気分は落ち込むし、そのミスが大きなものだとまるで全てのエネルギーが空っぽになったように何も手がつかなくなってしまいます。
「仕事でいつもミスばかりしてしまって、なんだかへこむ。」 「また同じことを繰り返してしまう。自分自身が情けなくて、しょうがない。」 「こんな大きなミスをしてしまうなんて、もう自分がダメな人間だと思ってしまう。」
そんないたたまれない気持ちでどうすればいいか分からない、というお悩みにお答えします。
当記事では「落ち込んだ気持ちを切り替える方法」が分かります。
こんにちは。キャリトラです。
私はブラック企業からホワイト企業へ転職して年収400万→800万にアップし、新しいことに挑戦することが楽しいと思える日々になりました。
ブラック企業で働いていたときは、朝が来るのが本当に嫌で、なるべく失敗しないように変なことには手を出さないようにしようと萎縮した毎日を過ごしていました。
今回は、似たようなつらい境遇にあるあなたの気持ちを少しでも軽くすることができたらと思い、私がした経験や、本や論文を読んだり実際に試した中から特に効果があった「落ち込む気持ちの切り替え方」をご紹介します。
「仕事のミス・失敗」に対する考え方が全く違った、私が働いた2つの企業の体験談

私はこれまで、エンジニアとして大手OA機器メーカー、3大通信キャリアの一角、超大手広告企業と転職を繰り返しながらキャリアアップをしてきました。
しかしその前はフリーターとして働いていた時期が3年ほどあり、その中には今となっては信じられないようなブラック企業もありました。
私が感じたのは、ホワイト企業とブラック企業では「仕事のミス・失敗」に対する考え方が正反対だ、ということです。ここでは私がそれぞれの企業で経験した仕事のミスの体験談についてお話したいと思います。
怒声が飛び交うブラックな職場でミスが続き、「何のために上京して働いてるんだっけ」と落ち込んでしまった
そのブラック企業は社長と副社長が絶対君主として君臨するソフトウェアメーカーでした。
会社の規模としては中堅企業ですが、そのソフトウェアは建築・土木系の企業や官公庁で大きなシェアを持っている有力な企業です。
どんなブラックなところだったかという例を一つだけ挙げると、ミスをするたびにフロアで怒鳴られ、責められ、毎日のように怒声が飛び交う環境でした。
「そんなミスをして、お前は無能なのか?」 「なんでこんなこともできないのか?」 「いつもそんなことで恥ずかしくないのか?」
そんな言葉が飛び交う精神的な苦痛から気分はどん底に落ち込み、「自分はなんでわざわざ田舎から上京して、こんなところで働いているんだっけ?」と朝起きるのが辛い毎日でした。
「仕事のミスをするお前は無能だ」
これが私が体験したブラック企業での「仕事のミス」に対する考え方でした。
もしあなたの職場でも似たような考え方が蔓延しているのであれば、挑戦する気力も萎え、成長する機会が奪われる可能性が高いと私は思います。
「致命的なミス」をしてしまった時に「成長する組織・仕組みを作ってくれ」と言われたホワイト企業
そんなブラック企業を辞めて転職した企業は、新しいことにどんどん挑戦する活気のある雰囲気の広告代理店でした。
そんな企業の開発チームもまた、挑戦に対して前向きな環境でした。
アメリカのIT業界では「多分動くと思うからリリースしようぜ」という有名な言葉があります。
「完璧なもの」をリリース(ソフトウェアの出荷)するのではなく、「動く=顧客に対して最低限の価値提供ができる状態」であればまずは価値提供をしてみて、それが本当に「ユーザーが求める価値なのか?」「もっと別の形が求められていないか?」などのフィードバックを受けて改善を繰り返す製品リリースの考え方です。
挑戦に失敗はつきものだという考え方が文化としてあるのでしょう。
ある時、私は自分が開発担当したサービスで「致命的な欠陥」を含んでリリースしてしまいました。
そのサービスは月間の利用者数が数千万にも及ぶ大きなサービスで、私が出したバグも多くの人に影響してしまいました。
あまりの影響の大きさ、事業的なダメージの大きさから私は全く生きた心地がしませんでした。
緊急対応を終えた後、「明日、関係者集めて状況確認、今後の対応を話します」とCTO(最高技術責任者)から言われたあとは、頭の中をよくない考えがぐるぐるして夜も眠れませんでした。
翌日出社してCTOと顔を合わせた時に「顔色悪いけど大丈夫?」と聞かれ、私は正直に眠れなかったことを答えたらそのCTOは笑ってこう言いました。
「今日のMTGはあなたを責めるんじゃなくて、組織として同じことを繰り返さないためにみんなで何ができるかを話すのが目的だ」 「あなたに期待するのは、この失敗からナレッジ(知識)を蓄積して成長するチーム・仕組みを作ってくれることだよ」
前まで働いていたブラック企業とのあまりの違いに私は本当に驚いたのと同時に、心底ほっとしました。
「失敗は成長の種である」
これが私が体験したホワイト企業での「仕事のミス」に対する考え方でした。
仕事でミスして落ち込むあなたに知って欲しい3つの事実 〜失敗は上手くいかない方法の発見〜

失敗した時の気持ちの落ち込みは、本当につらいものです。
次々とネガティブな感情が湧いてきて、自分を責めてしまう経験は私もあります。
しかし、私は働く環境が変わったことで「仕事のミスや失敗に対する考え方」も変わってきました。
もしあなたが仕事の失敗で落ち込んでいるのなら、次の3つの事実はあなたの心を少しだけ軽くしてくれるかもしれません。
事実1:仕事の失敗でクビになることはほとんどない
「こんな大きな失敗をしてしまって、クビになってしまう・・・」
大きな失敗をしてしまうと、そんな不安で頭がいっぱいになってしまうこともあります。
しかし、仕事のミスでクビになることはほとんどありません。
なぜかというと、日本の法律ではよほどの理由がない限り労働者を解雇できないことになっているからです。
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
引用労働契約法第十六条
また、一般的に「社員教育の責任」は使用者(雇用主・企業)にあるとされています。
これはつまり、失敗した時は改善の機会を与える責任が会社にはあるということです。
あなたが失敗から学び、改善し続けていくうちはクビになることは一般的にはありません。
但し、故意に会社に損害を出すような状況を作ったり刑法犯に該当するような犯罪行為をしてしまった場合はその限りではありません。
事実2:失敗は「あなた」という人格を否定するものじゃない
「こんなミスをする自分はなんてダメなんだ・・・」
仕事でミスをした時、自分の無力感からこんな思考をしてしまいます。
しかし、失敗の原因の多くは、仕事の「やり方」や「仕組み」に問題があることがほとんどです。
あなた自身の能力・人格・ましてや存在を否定するものではありません。
例えば、私は何度かミーティングの開始時間に気づかずにすっぽかしてしまうと言ったミスをしたことがあります。
「次から気をつけないと」と思っていても、集中して作業をしていたり忙しい状況ではどうしても失念してしまうことがあるからです。
そこで私は、会社で使っているslackというチャットツールとGoogleカレンダーを連携させて「会議の2分前にメッセージを送る」という仕組みを作ってからは打ち合わせをすっぽかすというミスをしなくなりました。
あなたのミスは、やり方や仕組みを変えることでもっと上手くやれる方法はありませんか?
事実3:失敗は人を強く成長させる
電球を発明した偉大な発明家であるトーマス・エジソンは、その発明を成功させるまでに1万回もの実験を繰り返したそうです。そのことに対してある新聞記者がエジソンに質問しました。
「1万回も失敗して、諦めることはなかったのですか?」
その質問に対してエジソンは
「あれは失敗ではありません。上手くいかない方法を1万通り発見したのです」
と答えたそうです。
実験して、その答えを分析しまた挑戦する。
その一歩一歩がエジソンの発明を成功へと近づけました。
失敗はあなたを否定するものではありません。
むしろ、あなたを成長させる道しるべになるものかもしれません。
最後に、私が仕事で失敗した時に、何度も勇気をもらった大好きな漫画の一場面を紹介します。
失敗というのは…………いいかよく聞けッ!
真の『失敗』とはッ!
開拓の心を忘れ!困難に挑戦する事に無縁のところにいる者たちの事をいうのだッ!
ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン コミックス1話より
落ち込んだ時の気持ち切り替え方と次の一歩の踏み出し方

仕事でミスが続いて気持ちが落ち込んでいると、次々とネガティブな感情が湧き出て動き出す気力も出てこないですよね。
「周りの社員から使えないやつって思われただろうか?」 「またミスをしたらどうしよう」 「もう会社に行きたくない」
そのつらい気持ちから、どうやったら一歩を踏み出すことができるのか考えることなんてできなくなってしまいます。
ここでは、どうやったらその「クヨクヨ思考」から抜け出して次の一歩を踏み出すことができるようになるのかを紹介していきます。
落ち込んだ気持ちを切り替える3ステップ
ステップ1:クヨクヨ思考を止め、負のスパイラルから脱却する
最初のステップは「負のスパイラルを止める」ことです。
気持ちが落ち込んでいるとき、人はネガティブなことを考え続けるだけで、別に解決策を探そうとするわけではなく、ただひたすら「自分はダメなんんだ」と考えてしまう状態に陥ってしまいます。
当たり前ですが、こんな風にクヨクヨするのは現状を改善するどころか、あなたのメンタルにとっても良くありません。
このクヨクヨ思考の状態では集中力を欠き、問題解決能力が低下することでまた新たな問題を作ってしまうという負のスパイラルに陥ってしまいます。
そういう時は、自分の趣味を思いっきり楽しんだり、お風呂に入ったり、好きなことをして、いっそ完全に失敗のことを頭から忘れてしまいましょう。
「そうは言っても失敗のことをつい考えちゃうし、他のことなんてやる気が起きません」
という人でも、簡単にメンタルをリセットする方法があります。
それは「自然の中を歩く」という方法です。
2015年にアメリカ・スタンフォード大学が
「クヨクヨ思考をしやすい人の『アンケートと脳のスキャン』した結果が、森を1時間半ほど散歩するとどうなるか?」という研究をしました。
結果は、クヨクヨ思考を行う回数が減っただけでなく、悩みと関係の深い前頭前野の活動が低下したのでした。
人は一定時間、クヨクヨ思考をやめることができると頭の切り替えができ、新しい方向性を模索することができることがうつ治療の研究からもわかってきています。
ちょっとした時間でも、森ではなく近くの公園や緑道でも大丈夫です。
まずは、少し歩いてみて、あなたの頭を空っぽにしてみてください。
ステップ2:自分の状況を客観的に見る 〜悩んでいる友達へのアドバイス〜
友達から相談を受けた時に「なんでこんなことで悩んでいるんだろう?〜〜すれば済む話なのに」と思ったことはありませんか?
人は自分のことだと冷静になれず、視野もせまくなって、「抜け出せない」ような気持ちになります。
しかし、他人のことだと一気に冷静に・客観的に考えて解決策を考えることができてしまいます。
友達から相談を受けた時のように、まずは一歩引いて俯瞰した立場から話を聞いて問題点を分析してみましょう。
「君が悩んでいるのって、つまりはこういうこと?」
そんなふうに整理できたら、成功です。
ステップ3:行動を起こす〜あなたにとってのヒーローならどうするか?〜
自分のことだと客観的に見れないのと同じように、自分の行動についても人は過小評価して自分の枠の中だけで行動しがちです。
自分がどうするだろうと考えると、無意識のうちに制限が付いてしまいます。
そんな時におすすめなのが、
「自分にとってのヒーローだったら、こんな局面をどうやって乗り越えるだろうか?」
と想像してみることです。
あなたにとってのヒーローなら、自由に現状を打破してくれる行動をとってくれるでしょう。
仕事で落ち込んだとき、3ステップで脱却して次の一歩を踏み出せた私の体験談
私は2年間ほど、マネージャーとして行き詰まり悩んでいたことがありました。
その時の私は、10名ほどのチームを率いて開発業務を行なっていました。
しかし、その組織には大きな問題点がありました。
ひとつは、メンバーが長くて2年ほどで辞めてしまうため、組織にナレッジがたまらなかったこと。
もうひとつは、メンバーが全然成長しない(と思っていた)ために、組織の仕事がスケール(拡大)できないこと。
ある日、私が一際信頼して一緒に仕事をしていたメンバーを含む複数人から退職の意向を聞き、
「俺は人を率いることができない、マネージャーとしての能力がないんだな」
と落ち込みました。
正月休みに、私は帰省して実家近くの海辺にある親水公園を散歩して落ち込む気持ちを整えました。
そして、地元で新しくできたスターバックスに冷やかしに行くついでにコーヒーを飲みながら一年を振り返りました。
「そのチームで働く友人から相談を受けた」としたら、どんなことをいうだろうかと想像して振り返った時に、私は「自分がブラック企業の経営陣と同じことをしている」ということに気が付きました。
ミスをした時に原因追求して再発防止をしているようなつもりでいた行動も、側からみれば問題を責めるように深堀しているだけ。
チームのメンバーも「〇〇さん、ちょっといいですか?」と呼んだ時に、まるでふるえながら萎縮するようにやってくるようだったことを、その時になって気づいたのでした。
その年の新年の抱負は「怒らない」という幼稚な目標だったことを今でも覚えていますw
そこから私は、当時ハマっていた「キングダム」の主人公・信ならどうするか考えました。
信は自分の夢に対して、飛矢のように真っ直ぐな主人公です。
その夢に向かってまっすぐな姿は自分の隊の仲間たちに夢を与え、その仲間たちもまた自分たちの輝かしい未来に向かって力を発揮していきます。
そのイメージから私は、
- 自分のチームはどんな価値を世の中に出すことができるのか(夢)と言語化
- その価値を提供できるメンバーはどんなキャリアを描けるのかというキャリアパスと給与体系(輝かしい未来)
の二つを作りました。
それからもいろんなことが起こったのですが、この2つの行動からチームの中にも野心に燃える仲間ができ、その影響が広がって行く中で離職率がさがりチームのレベルも大きく向上しました。
まとめ 〜失敗はあなたにとって成長する可能性です〜
仕事をする上で、どんなに優秀な人でも、どんなに注意を払っていても失敗を全くしないということは不可能です。大切なのは、その経験から何を学んでより自分を成長させて次に生かしていくかです。
何度でも言いますが、失敗はあなたの能力・人格・存在を否定するものではありません。
もしあなたが失意の中にいるのであれば、今回ご紹介した「落ち込んだ気持ちを切り替える3ステップ」の1つ「海辺や公園、近くの川など自然に近いところを少し散歩してみる」ところからお試しください。
失敗を乗り越えた先には、きっと少しだけ成長できたと思える自分に出会えます。
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