四半期が終わり、次の目標を設定する時期になってきました。
私の会社では半期ごとに全社や事業部ごとにキックオフが行われ、これから目指すべきゴールや目標などが共有されます。
ちょうどいいタイミングなので、うちの会社でもよく聞く目標設定のキーワード「KPI」について改めて勉強しようと思い手に取ったのが今回ご紹介する「最高の結果を出すKPIマネジメント」です。
この本を読んで、私はKPIマネジメントを完全に誤解していたことに気がつきました。
私がやったいた目標設定は、まさしくこの本の中で言うところ「ダメダメKPI」でした。
この本を読むと、「KPIとはいったいなにか?」がスッキリわかるようになり、私のようにいろんな数字を並び上げて、あちこち見ながら大変な思いをして管理をしていたマネージャさんは「最重要プロセス」だけに集中して成果を上げられるようになります。
この本は次のような課題を持った人におすすめしたいです
- 会社で「KPI!KGI!」って聞くけど、実はあんまり理解してない
- 今年からマネージャーになったけど、どうやって目標を設定すればいいのか分からない
- なんとなくいろんな指標を作って管理してたけど、思うように成果が出ない
- もっと成果を出せるチーム作りのために、新しい武器(知識)を手に入れたい

「最高の結果を出すKPIマネジメント」の要約
KPIマネジメントとは

自分たちの組織の目的地(ゴール)はどこなのかを確認し、その数値目標(KGI)と現状とのギャップをを埋めるための最も重要なプロセス(CSF)絞り込み、設定したCSFの数値目標(KPI)の改善活動によって成果を作る取り組み
KPIとは?
- Key Performance(事業成功の鍵) Indicator(指標・数値目標)
- 事業成功の鍵を数値目標で表したもの
KPIマネジメントを知る上で、覚えておきたい3つの登場人物
- KGI(Key Goal Indicator)=最終的な目標数値
- CSF(Crittical Success Factor)=最重要プロセス
- KPI=最重要プロセスの目標数値
KPIマネジメントの正しいステップ

- KGIの確認
- 自分たちの組織の目的地はどこなのかを確認
- トップの年頭所感、事業戦略、事業方針の資料などを参考にしながら設定
- ギャップの確認
- 現状の延長でいくと期末にはどうなっているのかを予測し、ギャップを把握する
- プロセスの確認
- 自社のビジネスを数式としてモデル化する
- e.g. 利益=売上−費用
- さらに分解:売上=アプローチ量×歩留まり(CVR)×平均単価
- 自社のビジネスを数式としてモデル化する
- 絞り込み
- モデル化したプロセスの中で「自分たちでコントロールできる要素」の中から最も重要なプロセスだけに焦点を絞り込んでマネジメントする
- たくさんあると適切に対応できなくなる
- 交差点に信号がたくさんあると行動に迷ってしまうことと同じ
- 目標設定
- CSFをどの程度の数値におけばKGIが達成できるのか?からKPIを計算する
- 運用性の確認
- 理屈の正しさを確認する「整合性」
- CSFが変化すると、KGIも変化するのか?
- KPIが達成するとKGIも達成するのか?
- 安定して運営できるかどうか?「安定性」
- データの入手や加工は楽にできるか?
- シンプルに理解できるか?「単純性」
- チームのメンバー全員が理解できるか?
- 理屈の正しさを確認する「整合性」
- 対策の事前検討
- KPIが目標通りに行かなかった場合の対策を事前に決める
- いつ
- KPIがどれくらい悪くなったら
- どうするか
- 最終判断(決済者)は誰か?
- KPIが目標通りに行かなかった場合の対策を事前に決める
- コンセンサス
- KGI、CSF、KPI、事前検討した対策を組織のトップと合意をしておく
- 運用
- 事前に決めていた確認タイミングごとにKPIをチェック。
- 目標との乖離が予め決められたラインを超えていたら即座に対策を入れることで、スピードを落とさずにリスク対策を打てる
- 継続的な改善
- 必ず結果を振り返り、成功の糸口を見つけること
- 振り返りを習慣化するために、KPIを計画した段階で振り返り会議の実施日を先に決めておく
- 「振り返り」は「犯人捜し」ではない
本を読み終わって、特に学びが大きかったもの
この本を読んで、私にとって特に学びが大きかったのは次の3点でした。
- KPIを言葉だけでなく、目標達成における役割まで理解できた
- 成功における最も重要なプロセスを理解できた
- KPIマネジメントの目的は「マネジメントを進化させること」
今までなんとなく、「KPIっていうのは数値目標のことなんだな」という理解だった
しかし、この本を読むことでKPIというのが目標達成をする上でどのような立ち位置で、この数値をどう活用していけばいいのか?という知識を体系立てて理解することができました。
また、どのように設計・運用・改善していけばいいのかを具体的なイメージをもとに理解できました。
これは私にとって、これから数字でチームマネジメントをしていく上で大きな自信につながります。
合わせて、私が行っていた「ダメダメKPIマネジメント=数値マネジメント」は、本当によくある間違いであるということにちょっとした安堵を感じ、ちゃんと改善していこうという学びになりました。
特に意識していこうと思ったのは「絞り込む」ということ
この本の中では、「絞り込むことで行動が迅速になる」という点に触れていましたが、私はそれに加えて「よりパワフルに行動できる」ということが素晴らしいと思いました。
いろんな数値を同時並行的に改善していこうとすると
- リソースを分散させなければならず、結果が出るまでに時間がかかってしまう(もしくは出ない)
- 因果関係が複雑になってしまい、結果の振り返りが困難になってしまう(=知識が蓄積できない)
という問題が出てきます。
これはチームでも個人でも同じです。1年の間で10の目標に1/10ずつ力をこめると、すべてが少しずつしか進まないので結果が出るまでの時間も長くなります。
結果が出るまで時間がかかる→振り返り間隔が長くなり、軌道修正が遅くなる→たくさん管理する割に結果が出ない
という悪循環になりがちです(まさに私が苦しんでいた管理でした…)
また、複数のKPI改善が同時進行してしまうと、「どのKPIが結局効果があったのか分からない」ということになりがちです。
そうなってしまっては知識の蓄積ができず、組織も成長できません。
1つ1つの施策をきちんと振り返り、マネジメントを進化させ続けることこそがKPIマネジメントの目的なのだということを学べました。
この本を読んでキャリトラがトライすること
絞り込んだ1つのKPI改善に2週間〜1ヶ月のあいだ徹底的に取り組む
→KPIへの取り組みがKGI達成にどのように関与したかを振り返り、ナレッジを溜める
→継続改善していくことで、マネジメントを進化させる
「最高の結果を出すKPIマネジメント」の概要
本の概要
「いままでいちばんわかりやすいKPI解説本! 」の呼び声高く、累計5万部突破!
Amazon概要より
ビジネス書グランプリ2019 マネジメント部門ノミネート!
熾烈なビジネスの現場で磨き込まれた最強のKPIマネジメント手法が学べる1冊!
数字でビジネスを最大化し続け売上げ2兆円企業となったリクルートグループ。
その土台を担ってきたのが「KPIマネジメント」だ。
本書は11年間にわたりリクルートのKPI社内講師を務め自らも実践してきたKPIマネジメントのプロフェッショナルが徹底した現場主義の使えるKPIマネジメント手法を公開!
単に数値を見ながら事業運営する「なんちゃってKPI」とは明確に一線を画すパワフルなKPIの実践バイブルが誕生。
「最高の結果を出すKPIマネジメント」著者プロフィール
中尾隆一郎(なかお・りゅういちろう)
Amazon 著者についてより
株式会社FIXER執行役員副社長
1964年5月15日生まれ。大阪府出身。1987年大阪大学工学部卒業。89年同大学大学院修士課程修了。同年株式会社リクルート(現・株式会社リクルートホールディングス)入社。主に住宅、人材、IT領域を歩み、住宅領域の新規事業であるスーモカウンター推進室室長時代に同事業を6年間で売り上げを30倍、店数12倍、従業員数を5倍にした立役者。
リクルート住まいカンパニー執行役員、リクルートテクノロジーズ代表取締役社長、リクルートホールディングスHR研究機構企画統括室長、リクルートワークス研究所副所長などを経て、2018年4月から現職。2017年6月より株式会社旅工房社外取締役を務める。専門は事業執行、事業開発、マーケティング、人材採用、組織創り、KPIマネジメント、管理会計など。良い組織つくりの勉強会(TTPS勉強会)主催。
29年勤めたリクルート時代は、約11年間にわたってリクルートグループの社内勉強会において「KPI」「数字の読み方」の講師を担当、人気講座となる。
著書『転職できる営業マンには理由がある!(共著)』(東洋経済新報社)、『リクルート流仕事ができる人の原理原則』『リクルートが教える営業マン進化術(共著)』(全日出版)。
「最高の結果を出すKPIマネジメント」もくじ
- はじめに
- 第1章KPI の基礎知識
- KPI って何ですか?
- ダメダメ KPI の作り方でありがちなこと
- どうやってイケてる KPI を作ればよいのか?ーKPI のステップ①・②
- プロセスの確認・モデル化ーKPI のステップ③
- 絞り込み (CSFの設定)ーKPIのステップ④
- 目標の設定 ーKPI のステップ⑤
- 運用性の確認 ーKPI のステップ⑥
- 対策の事前検討とコンセンサス KPI のステップ⑦・⑧
- コラム 前からやるか、後ろから考えるか
- 第2章KPI マネジメントを実践するコツ
- ダメダメな KPI ってどこで分かるの?
- KPI は「信号」だから「1つ」
- KPI は誰のものか?
- 分母が変数の場合は要注意!
- 越えなければいけない2つの壁
- キーワードはPDDS
- PDDSサイクルが1周する期間を把握していますか?
- PDDSは組織を強くする
- コラム リクルートのお家芸「TTPとTTPS」
- 第3章KPI マネジメントを実践する前に知っておいてほしい3つのこと
- 会社の方向性を「構造」と「水準」でつかむ
- ゴーイングコンサーンを実現させるKGI
- 利益を最大化させるための基本的な考え方
- 第4章さまざまなケースから学ぶ KPI 事例集
- 事例1特定の営業活動を強化することで業績向上を目指す
- 事例2エリアにフォーカスすることで業績を拡大する
- 事例3商品特性から特定ユーザ数を KPI に設定する
- 事例4時代の変化を先取りして特定の商品にシフトする
- 事例5従量課金モデルでは歩留まり向上から始める
- 事例6採用活動における KPI の考え方
- 事例7社外広報は目的を明確にして KPI を設定する
- 事例8社内スタッフ部門は従業員満足度を KPI にするのが基本
- 事例9集客担当には集客単価を決めて自由に動いてもらう
- 事例10仕事ができるようになるための KPI
- 事例11人生100年時代を健康に過ごすための KPI
- 第5章KPI を作ってみよう
- KPI ステップの復習
- KPI マネジメントを始めるための事前準備
- KGIを確認する
- ギャップを確認する
- プロセスを確認する
- 絞り込み(CSF)の設定と KPI
- 運用性を確認する
- 対策を事前に検討しておく
- コンセンサスを得て運用していく
- 継続的に改善を繰り返す
- 究極の KPI マネジメントとはーすべての判断を KPI に紐づける
- コラム 最強の振り返りは「リアルタイム」
- おわりに
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